ケニア、キベラの非正規居住区におけるポイント・オブ・ユース型浄水器導入による下痢性疾患有病率の改善
要旨
背景観察研究と無作為化実験の両方において、世界各地の環境において、ポイント・オブ・ユース浄水器が下痢の有病率に有効であるという証拠が増えつつある。しかし、ほとんどの研究は農村部を対象としている。ここでは、ケニアのキベラでSawyer®浄水器、WASHトレーニング、アルベンダゾールの投与を受けた約10,000世帯をモニターするために、自己報告式の世帯調査と選択的飲料水検査を用いた。
結果 交絡因子を考慮した統計モデルでは、フィルター使用約70日後に、2週間の自己申告による下痢の有病率が52.7%から2.2%に低下すると推定された。フィールドテストでは、ほとんどの水源(25カ所中18カ所)で総大腸菌群が、多くの水源(25カ所中6カ所)で大腸菌群が検出され、1カ所の水源ではWHOの健康ガイドラインのヒ素濃度を超えていた。配布時にアルベンダゾールの投与を受けた世帯と受けなかった世帯の間で、自己申告による下痢の有病率に差は見られなかった(p>0.05)。
結論人口密度の高いインフォーマルな集落の世帯にポイント・オブ・ユース・フィルターを導入することで、下痢やその他の健康に関する問題が減少した。フィルターの因果関係を確認するためには、客観的な健康指標を用いた今後のランダム化比較研究が必要であり、また現場でのフィルター寿命の研究は引き続き重要なニーズである。
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